いらっしゃいませ。
今回は以前お話しした「ギタリストのあなたが抜ける音を出すたった3つのポイント」の追加情報として、
音抜けを良くするために使える「イコライザー」というエフェクターをご紹介させて頂きます。
イコライザーとはEQとも言いますが、アンプに付いている「Bass、Middle、Treble」というツマミとほぼ同義のものになります。
ですがアンプに付いているEQはアンプごとに変化する周波数が固定されているため、
場合によってはアンプのEQだけではバンド全体では音が抜けなくなってしまったり、自分の好きな感じの音が作れない可能性もあります。
そういった時にコンパクトエフェクターでイコライザーを持っておくことで、さらに細かい音作りが可能になります。
今回は筆者が実際に使用した経験のあるイコライザー2機種と、今後筆者が買ってみたい1機種をご紹介させて頂きます。
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・1.Behringer – EQ700 Graphic Equalizer
激安ながらも有能なエフェクターを多数輩出しているブランドBehringerからもイコライザーが出ています。
BEHRINGER ( ベリンガー ) / EQ700 Graphic Equalizer
対応している帯域は
100Hz、200Hz、400Hz、800Hz、1.6kHz、3.2kHz、6.4kHzと、
BOSSのGE-7と全く同じ利き方をします(というかGE-7の回路をコピーした商品です)。
回路は同じですが、BOSSとBehringerでは耐久性に大きな差が出てきてしまいます。
Behringerのプラスチックタイプの匣体のエフェクターの場合、
サウンドクオリティとしては大きな差は無いのですが、
ソロの際のブースターとしての使い方や、曲毎に音色を変える目的としての
あまり頻繁に踏み込むような用途には向いていないのではと感じます。
ですので基本的な使い方としては常時ONにしてメインの音作りや補正として使っていくのが良いと筆者は考えます。
筆者の場合は、
ドラムのキックと被りそうな100Hzやベースと美味しい部分と被りそうな200Hz、800Hz、1.6kHzは必要に応じてカットしていく方向で使い、
その代わり少しアンプの音量を上げて音圧を出していくような使い方をしていました。
あと1つ面白い使い方として、
家で練習用アンプを鳴らす場合にもこのエフェクターを使い
100〜200Hzと800〜1.6kHzをブーストし、
400Hzを思い切りカットすることにより
家の小さな練習用アンプのEQだけでは出せないようなヘヴィで迫力のあるドンシャリサウンドを出して楽しんでいました。
これは弾いていてとてもテンションが上がります。
・2.BOOT-LEG – DEEP BOX
筆者が今でも使用する秘密兵器的なエフェクターです。ジャズコの音作り、いわゆる「JC対策」としても使えます。
BOOT-LEG ( ブートレッグ ) / DEEP BOX
説明書を見るとベースで使用されるのが推奨されているエフェクターの様ですが、
ギターでも全く問題なく使えます。
ツマミはVOLUME、SUPER LOW、HIGH MIDの3つのみというシンプルな構成ですが、
ギターでもベースでも非常に気持ち良く効いてくれる帯域に設定されています。
SUPER LOWはパッシブベースをアクティブベースの様なサウンドに変えるという触れ込みの通り、非常に低い帯域(恐らく50〜90Hz辺り?)をブーストする事が出来ます。
ギターの場合は普段ほとんど使わない帯域ですが、場合によってはキャビネットの箱鳴り感を出すために少し足すのもアリかも知れません。
HIGH MIDはギターに特においては非常に重要な帯域で、
名前の通りハイミッド辺り(1k〜2kHz辺り?)を出してくれるのですが
歪んだギターの抜けが良くなる部分を非常に良くブーストしてくれるので
音作りにはもちろん、VOLUMEと合わせて良質なブースターとしても機能してくれます。
筆者は最近まではよくRoland JC-120(ジャズコ)で音作りをする場合が多かったのですが、
基本的にはプリアンプとしてBEHRINGER ( ベリンガー ) / GDI21 V-Toneをリターン端子に繋いで音作りをしていました。
BEHRINGER ( ベリンガー ) / GDI21 V-Tone
その場合にプリアンプの後にDEEP BOXをかまし、
HIGH MIDを15時くらいまでグイッと上げるとそれだけでガッツのあるサウンドになり音抜けが良くなります。
さらに必要に応じてSUPER LOWをエッセンス程度に少しだけ足せば、
ジャズコでも本物のスタックアンプ並みのパワフルな低音を生み出すことが出来ます。
昔使い方が良くわからない頃に
SUPER LOWを16時くらいまで持っていってベースより低い帯域を出してズンズンして厨二なサウンドを作ってバンドメンバーに迷惑を掛けていたのが懐かしいです…(遠い目)
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・3.MXR – M108S 10 Band Graphic EQ
こちらは昔から発売されている名機「MXR M108」がグレードアップされたエフェクターです。
MXR ( エムエックスアール ) / M108S 10 Band Graphic EQ
M108の時点でもかなり評判が良く
多くのミュージシャンに愛用されてきたモデルですが、
M108Sでは、M108では搭載されなかったノイズリダクション回路が内蔵され、出力も2系統に分かれています。
これによりハイゲインなサウンドの音作りでも更に使いやすくなり、
アンプ2台を同時に鳴らしたり、アンプとラインの音を同時に出力したりと使い方の幅も広がりました。
さらにシルバーの匣体に目盛りの部分がブルーのLEDが光るのも前のM108と比べても視認性が向上していますし、
何より弾いていてテンションが上がること間違いなしです。
対応している帯域は、
31.25Hz、62.5Hz、125Hz、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、4kHz、8kHz、16kHz
と非常に幅広い帯域をカバーしており、
この事からベーシストにも愛用者が多いのも本機の特徴です。
筆者的には125Hzというのがベースにとっての絶妙な帯域で、
ドラムのキックのチューニング次第ですがこの帯域の調整次第でキックとの相性の良いパンチの効いた低音サウンドを出す事が可能になるのではないかと思います。
GainとVolumeも付いていますので、
ソロでのブースター的な使い方も出来ますし
非常に汎用性の高い機種です。
・「音作り」としてのEQと「補正」としてのEQ
EQ(イコライザー)には
パラメトリックイコライザー(パライコ)と
グラフィックイコライザー(グライコ)
という2種類のイコライザーがあります。
先ほど紹介した
BOOT-LEG – DEEP BOX
はパライコ、
Behringer – EQ700 Graphic Equalizer
MXR – M108S 10 Band Graphic EQ
はグライコの部類に入ります。
ここからは筆者の完全な独断と偏見ですが、
「音作り」として使うならパライコ。
「補正」として使うならグライコが向いていると考えます。
何故ならパライコはアンプのEQのように
変化する帯域がほぼ決まっており、
バンドサウンド全体のバランスを補うための補正として使うには自由度が低すぎるからです。
その代わりに帯域の持ち上がり方にエフェクターごとに個性があり、ツマミもシンプルなので素早く音楽的な音作りが可能です。
そしてグライコの方は非常に細かく設定できる代わりに、正解が見えにくくなってしまいがちになります。
ある程度の知識とその場での全体の音を聞く耳を持っていないと、
中々思った通りの効果を出しにくいかも知れません。
ですがある程度の知識さえあれば必要ない部分をカットしバンドサウンドをより際立つものに出来ます。
これはパライコでは中々出来ない事ですので、積極的に補正としてのグライコを使って経験を積んでいけば
かなりの戦力となる事は間違いありません。
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・おわりに
如何でしたでしょうか。
一見地味なイコライザーですが、
使い方次第ではあなたのサウンドをより引き立たせる事の出来る
まさに縁の下の力持ち的なエフェクターです。
イコライザーというエフェクターを駆使し、
あなたのバンドサウンドをより洗練されたものにしてみては如何でしょうか?
それではありがとうございました。
またお越し下さいませ。